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質問「父が亡くなってからうつ病になった母との関係に悩んでいます」 - 「我知(がち)ーお坊さんに聞いてみる」(2024年4月17日)

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【質問】

 私は4人兄弟の4番目ですが、兄や姉は県外に住んでいたので、私は両親の実家に家族と敷地内同居して10年です。2年前に闘病していた父が亡くなりました。母は、父が亡くなってからうつ病になり、今は入院しています。兄や姉に、母がうつ病になったのは私の母に対する態度が悪いからだと言われ、最近、夫と子どもと実家を出ました。

 

 実家には兄が引っ越してくる予定で跡を取ると言われています。母は入院中面会謝絶なので今は会えていません。入院前もしっかり話せていなかったので、引っ越ししたことを伝えていませんし、母と会うことを躊躇(ちゅうちょ)しています。今後の母との関係、兄姉との関係に悩んでいます。

(40代女性)

回答

 堀内 瑞宏(秋篠寺住職)

 

我知なヒント=知識を蓄えることで見えてくる】

 

 葬儀というものは心の準備の有無に関わらず何かと気ぜわしく実際に忙しいものです。この忙しさは、心静かに故人を見送ることへの障害だったと捉える人もいますが、一方でその忙しさゆえに悲しみにとらわれ過ぎず乗り越えられたと前向きに考える人もいるようです。

 

 とはいえ、葬儀の現場では悲しみに暮れている人に気を使い、慌ただしさに巻き込まないよう配慮することもあるため、式後の心の落ち込みは人によって大きな差が生まれることになります。そして励まされる側が周りに合わせて立ち直ったかのように振る舞い、無理をした結果ストレスを生じさせるというのもありうる話です。

 

 さて私はうつ病に関して詳しくありませんが、質問文にある面会謝絶というのが兄弟の感情的処置ではなく医者からの正式な見解によるものであるのなら、残念ながら質問者様が母親を不安定にさせる要因の一つだと判断されたということなのでしょう。

 

 父親を亡くしてから2年の間、うつに関しての知識も少なく、自身にも子どもを含めた家族がいる中で頑張られた努力が実らなかったのは確かに残念です。ですが、現状において母親と離れて暮らすことが今できる一番の孝行であると割り切って考えてみてはいかがでしょうか。

 

 俗世坊主の私見となりますが、今後質問者様がするべきことは、うつについての知識をより蓄えることではないでしょうか。それにより、かつての自分にはできなかったこと、できたはずだったことなどが見えてくるでしょう。それが見えれば、実家に入り母の面倒を見てくれる兄弟に心から感謝できますし、母親にも自分の至らなかった部分を素直に謝罪できるようになるのではないでしょうか。

 

 さらに言えば、その学びは、今回だけでなく自身や家族がストレスを抱え込んだ時にも大いに役に立つかもしれません。過去への反省と、過ちを繰り返さないための現在の努力を、希望ある未来へとつなげていただければと思います。

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