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質問「人は死んだらどうなりますか。中学生から死にたいと相談されます」 - 「我知(がち)」-お坊さんに聞いてみる(2024年2月7日)

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【質問】

ありふれた質問でごめんなさい。人は死んだらどうなりますか。

 

 小さい時から死ぬのが怖いと思っていました。なぜならば死後どうなるかが分からないからです。おかげで辛(つら)くて自殺を考えた時も、怖いので死なずに乗り越えられました。

 

 いま学校で働いていて、昨年度も本年度も中学生から死にたいとの相談を受けました。幸い二人とも素直で、話をしたら思いとどまってくれました。一人はこれからも、もし死のうとしたら止めてくださいと言ってくれたので少し安心です。

 

 まだまだ希望がもてると思えるだけに、彼女たちには無論生きてほしいのでそのように諭すのですが、本当はどうして死んではいけないのかわかりません。だからちゃんと答えてやれてない気もして申し訳ないのです。どうぞよろしくお願いします。(40代女性)

 

【回答】

 辻 明俊(興福寺 執事長)

 

【我知なヒント=自分が去ったあとも、想い慕われ続ける人生を歩む

 

 新聞に〇〇人という数字、すっかり見なくなりましたけれど、新型コロナウイルスによる国内の累計死者数は数年で7万人を超えました。もちろんそれ以外の原因でも多くの方があの世に旅立たれているわけで、事故や天災など、予期せぬまま亡くなった方もいるはずです。

 

 そのような事実を前にした時、命や生きることはけっして平等でないー、つくづく思うのです。しかし、生命には必ず終焉(しゅうえん)があります。やがていなくなると分かっていながらも、死という不都合だけを遠ざけて、眼をそらそうとしていませんか?だから新聞の数字を見てもどこか他人事のように流してしまう。

 

 たいていの人にとって、自分がこの世界から消えて無くなるのは、心底恐ろしいものに違いありません。ただし、その恐怖と真正面から向き合えば、この一瞬一瞬、天から与えられた時間の積み重ねは色濃くなり、心は落ち着きます。

 

 「死にたい」と言う人は、けっして命を軽く考えているのではなく、むしろ「生きる」ことへの実感がはるかに深いのではないでしょうか。何かに絶望する人こそ、暗夜の中にかすかな希望を見つけ、つかむことができると信じています。そして、私たちは数多(あまた)の命をいただいた上に生かされている、そう気づけるなら、勝手には終われませんよ。

 

 こうした相談は、相手に気持ちを預けることができなければ、とても話せません。隣に支えてくれる人がいれば、きっと自分の存在を認めることができるはず。

 

 いつかこの世を去る日がきます。生きたくても、明日を思い描いても、かなわなかった人たちのために、いっそう命を輝かせる、それが今日を生きる私たちの役目です。

 

【我知(がち)ーお坊さんに聞いてみる】

奈良の僧侶が悩み相談や質問に答えるコーナー。お坊さんに相談したい、 仕事や人間関係、恋の悩み、人生相談や信仰・仏教の教え、お寺への質問などが対象です。

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