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金曜時評

県の来年度予算案 多数の意志の重み - 論説委員 松井 重宏

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 来年度の県一般会計予算案をめぐる県議会の審議が大詰めを迎えている。予算審査特別委員会は19日、深夜に及ぶ議論の末、賛成少数で同予算案を否決。最大会派の自民党・無所属の会は週明け25日の本会議に修正案の提出を予告した。同本会議では原案否決、修正案可決が濃厚な情勢だ。

 

 ただ山下真知事は「修正案の内容が不適切なら再議に付す」姿勢を示しており、原案可決派が議会の3分の1を超えると予想される中、同知事は再議による逆転を見越して余裕ものぞかせる。

 

 そうした中、議員提出の条例改正案2件を含め、改めて問われるのが「多数の意志」。地方自治法は再議制度で過半数ではなく出席議員の3分の2の賛成を規定しているが、首長の優位制度や一般的拒否権の在り方には議論があることも踏まえた上で「多数の意志」の重みを問う。

 

 県議会は自民党・無所属の会が予算審議で公明党などとともに一部の施策に反対。併せて議会による県行政の監視強化を図る条例改正案、太陽光発電施設の設置に関し規制強化を図る条例改正案も議員提案している。

 

 定数43の過半数に当たる22議席を有する自民党・無所属の会には最大会派として、最後までぶれない対応が求められるとともに、山下知事が批判する「反対のための反対」ではない合理的で民意を正しく反映した「多数の意志」を明示する義務を負う。

 

 一方、昨年4月の統一地方選で初当選した山下知事は野党優勢の「ねじれ県会」に対抗、機先を制する手法で県政の運営を進め、その集大成となる来年度予算案も同様に中央突破を図る構えだ。

 

 ただ選挙で同知事が獲得したのは有効投票の44・4%、次点の平木省候補、現職だった荒井正吾候補の合計得票は約49%で上回った。これをもって民意は知事野党側にあるというのは強引だが、同時に行われた県議選で誕生した現在の議会勢力図が有権者の「もう一つの答え」であることは事実。知事も議員も、この結果を軽々に扱ってはいけない。

 

 山下知事は「選挙で掲げた公約を実現しなければ、有権者を裏切ることになる」と訴えるが、この文脈で有権者とは同氏の支持者にとどまる。また政策説明で「明々白々」と主張、異議を退ける強硬姿勢も反発を招く。より幅広く有権者に対し、聞く耳と話す言葉を持つべき。でないと柔軟な発想が視野狭さくに変じ、過剰な摩擦が政策の迷走を招きかねない。

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