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金曜時評

関西広域連合参加、本質を問う議論を - 論説委員 松井 重宏

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 関西広域連合に奈良県が全部参加するための規約変更について、同連合を構成する8府県4市の議会による議決手続きが順次、進んでいる。県議会は今月15日、本会議で同議案を賛成多数で可決。議会内には部分参加の維持を求める意見もあったが、最大会派の自由民主党・無所属の会が「意見を付して賛成」でまとまり、広域連合の発足以来、13年に及んだ県の加入問題が決着へ前進した。

 

 これまでに他府県市からも否定的な情報はなく、きょう22日に閉会する徳島県議会を含め予定通りに議決がそろえば、年明け早々にも広域連合が総務大臣に規約改正の許可を申請、来年度当初からの県全部参加が実現する見通し。

 

 ただ部分参加、全部参加をめぐる議論の多くは、各分野について県にメリットがあるか、ないかの観点に集中、広域連合自体の存在意義や今後の展望に関して中途半端に終わったのは残念。

 

 部分参加について当時の荒井正吾知事は「県にとって負担に見合う連携・協働の十分な効果が見込める分野には加入し、逆にその効果が見込めない分野には加入しない」と説明。これに対し今春、新たに就任した山下真知事は具体例を挙げて広域産業振興、広域職員研修など全分野でメリットがあると指摘、手続きを進めてきた。

 

 しかし荒井氏が「広域連合は現場から離れ、地方自治の方向と逆行している」「首長や議員の直接選挙がなく、政治的な代表性、正当性に課題がある」とした疑問への回答はどうなったのか。県会の議決で反対した山村幸穂氏(日本共産党)も「広域連合は住民参加できない仕組み」と指摘し「広域連合発足から13年、顕著な成果は見られない」と切り捨てた。

 

 大阪・関西万博の開幕が25年4月に迫る中、地域の足並みがそろうことに各府県市トップは一様に歓迎ムード。山下知事も「連携が強化され、県も各府県市も、より効果的、効率的に行政が進む」と手放しで利点をアピールするが、当の万博は施設建設の遅れや費用の増大など深刻な課題を突き付けられており、変化する社会情勢を踏まえ、改めて広域連合のあり方を問う声も高まっている。

 

 一方、県議会では自由民主党・無所属の会が強行姿勢に出れず条件付きより弱い付帯意見にとどめ議決に賛成。議席の過半数を占める「数の力」を発揮できない弱点を見せる結果となり、来年度予算案の審議を控え日本維新の会との対立の構図、県政運営への影響も注目されることになりそうだ。

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