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大和古寺お参り日記【43】 - 白毫寺(上)

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深い前傾姿勢が印象的な勢至菩薩と観音菩薩

 奈良市街を一望できる高円山の麓、白毫寺を訪ねた。130段の石段を上り切ると、興福寺の五重塔や県庁まで見渡せた。

 

130段の石段を上り切ると奈良市街が見渡せる

 

 

 創建については諸説ある。天智天皇の皇子、志貴皇子の別荘を奈良時代に寺にしたとも伝わり、境内には皇子を悼んで詠んだ万葉歌碑が立つ。

 

 鎌倉時代中期に西大寺の叡尊(興正菩薩)によって再興され、一切経の転読を行ったことから当時は一切寺と呼ばれていたそう。白毫(びゃくごう)は仏の眉間で光を放つ白い巻き毛だが、それがなぜ寺の名前になったのか、由来は不明という。

 

 本尊の阿弥陀如来坐像(国重要文化財)は平安から鎌倉時代の作とされるため、再興前から存在していた可能性もある。どっしりとしたヒノキの寄せ木造りで、少し笑みを浮かべたような温かな表情。昭和58年に建てられた宝蔵に安置されているが、それまでは脇侍の勢至菩薩、観音菩薩と一緒に阿弥陀三尊として本堂に祭られていた。

 

本尊の阿弥陀如来坐像
本堂

 

 

 現在も本堂に残る勢至菩薩と観音菩薩(江戸時代)は、珍しい倭坐り(やまとすわり)のポーズをとる。膝をついてかがんだ姿は、すぐに立ち上がって往生者を極楽浄土へ迎えるためなのだそう。横から見ると前傾の角度に驚く。そして、ひざまずいたその姿が本当に美しい。内に秘めた慈悲深さに触れたような気がした。

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