経済

秋田農園(京都府木津川市山城町) - 奈良の自慢企業(10)

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収穫した「京野菜 山城のねぎ」を抱える秋田農園社長の秋田佳英氏=京都府木津川市山城町

 京都府木津川市山城町で四代続く秋田農園は、近隣に6・5ヘクタールの農地を持ち、「京野菜 山城のねぎ」を栽培している。社長の秋田佳英氏から三代さかのぼる曾祖父は当地で金時人参や大根、胡瓜、茄子など幅広く野菜を栽培し、市場のない時代にリヤカーを引いて奈良市内まで行商に行っていたそう。社長のお父さんの時代になって野菜全般から「青ねぎ」に特化した栽培に切り替えた。

 

 

山城からブランドねぎを

こだわりの「根ごと収穫」

 

 青ねぎは青ねぎでも飲食店などで大量に消費される業務用ではなく、最初からスーパーや小売店で並べられ、選ばれる青ねぎを目指して栽培してきたという。一般的なカットねぎは、根を残したまま土から上の部分だけを切り取って、カットして販売されている。根が畑に残っているため1年間に3回から5回は収穫できるが、当社の「山城のねぎ」は毎回根ごと収穫して、畑を耕し肥料を入れ直して栽培するため、年間2.5回ほどしか収穫できない。

 

 しかし、根が付いたままスーパーに並べられるため、口にした時の甘みや香りが豊かといった特長がある。これは、この木津川市山城町周辺の良質な砂地の特性を存分に生かしているからである。砂地は、保肥力・保水力共に弱いデメリットもあるが、連作障害が起こりにくいといったメリットもたくさんある。そのため、一年を通して同じ土地で同じ作物を何回も生産する「葉物野菜(青ねぎをはじめ、ほうれん草、春菊、水菜など)」の生産が盛んになったのだ。

 

 その砂地の畑の特性を生かして、作業効率は低下しても毎回、根ごと収穫して畑を耕し、肥料を入れ直すという手間を掛けて青ねぎを栽培する事に秋田社長のこだわりがある。また同地域で製茶業を営む福寿園から、製品にならなかった茶葉をもらい受けて肥料としており、地産地消型農業として秋田農園が掲げる「ねぎSDGs」にも一役買っている。

 

 また秋田社長には、自社ブランドの「山城のねぎ」で、いつの日か地理的表示(GI)保護制度の認証を取りたいという野望がある。その地域ならではの自然的、社会的な要因の中で育まれてきた品質、社会的評価の特性を有する産品を、地域の知的資産として保護するGI認証を取るためには、まだまだ超えなければいけない高いハードルがあるだろうが、いつか「山城のねぎ」が全国レベルのブランドとして認知され、日本中のスーパーで売られる日を楽しみに待ちたい。

 

  (帝国データバンク 奈良支店長・近藤穣治)

 

 

 

【秋田農園】

京都府木津川市山城町上狛内瀬9の1

https://akita-farm.co.jp/

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